--------

Ads by Google

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2008-11-19

民法七七二条問題 其の壱

 今を遡ること、約二年前。

 「離婚から300日以内に誕生した子は前夫の子」とする、民法772条の改定を求める動きがあった。

 以下に、民法772条の条文を提示しておく。

(嫡出の推定)

第772条

 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

第772条の2

 婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。


 この規定にはどういう意味があるのかについては、以下の記事を紹介して、解説の代わりとしておこう。

医療の発達で実態と“ずれ” 前夫の子とみなす民法「300日規定」

(省略)

 民法は100年以上も昔の明治31(1898)年に施行され、これまでに何度か改正されてきたが、300日規定は見直されることなく現在に至っている。そもそも、「300日」と規定された根拠はどこにあるのか。

 「子供の99%以上は妊娠後、300日までには確実に生まれる。明治も今も、これだけは変わらない。300日と規定することでほとんどの子供がカバーされ、父親を決めることができる」

 法務省の担当者はそう指摘した上で、「養育といった『子の福祉』を第一に考え、父親のいない子供をつくらないようにしたもので、今でも合理的と考える。明治との環境の違いは、医療の発達で早産による未熟児の生存率が高くなったことだろう」と話す。

(省略)

産経新聞:(2007/03/16 08:19)


 しかし、最初からこの条項が直接問題にされる事は無かった。

 何故なら、この条文そのものより、代理出産の方が注目されていたからである。


■ 代理出産と民法改定

「代理出産禁止」厚労相が見直し言及


 長野県の産婦人科医が、50代の女性に「孫」を出産させる親子間代理出産の実施を公表したことを受け、柳沢伯夫厚生労働相は17日、閣議後の記者会見で、現在は禁止方針の代理出産について見直しも含めて再検討する考えを明らかにした。

 柳沢厚労相は「慎重な方針を公表した(平成15年)当時に比べて賛否が分かれ、ここにきて支持するような世論もみられてきたと認識している」と述べ、世論が変化してきたとの認識を示した。

 その上で「世論の帰趨(きすう)を慎重に見極めながら、政府として方針の検討は必要。(禁止の)方針を法律で固定化していくというよりも、少し違った方向を探っていくことになるだろうと思う」と述べた。

 検討にあたっては、親子関係など民法上の問題が出てくることから、法務省を含め政府全体として検討していかねばならないとした

 また、長勢甚遠法務相も、生殖補助医療自体の是非をめぐる議論を先行させるべきとの認識を示し、「分かりやすい法的整備をできれば一番いい」として、法制化を視野に厚労省などと協議する意向を示した。

 代理出産をめぐっては15年に、日本産科婦人科学会が代理出産禁止の指針を決め、厚労省の審議会も罰則付きで禁止すべきだとの報告書をまとめていたが、具体的法整備は行われていなかった。


産経新聞 (2008/10/17 20:45)

代理出産 法整備へ

法相、厚労相 学術会議に審議要請

 政府は、代理出産などの生殖補助医療に関する法整備に着手する方針を固めた。長勢法相と柳沢厚生労働相が30日、日本学術会議に対し、代理出産の是非や基本的なルール、民法上の親子関係のあり方などについて、審議を要請する。政府はなるべく早く答申を得たうえで、適切な生殖補助医療のあり方を定める新法などの検討に入る考えだ。

 不妊に悩むカップルの増加に伴い、代理出産などを希望する人も増え、生殖補助医療の技術も進歩している。しかし、現在、代理出産などのルールを定めた法律はないことから、さまざまな問題が浮上している。

 最近では、タレントの向井亜紀さん夫婦が、米国女性に代理出産を依頼して生まれた双子の出生届を東京都品川区に提出したが、不受理となった。東京高裁は受理を命じる決定をしたが、同区が抗告し、最高裁で審理されることになった。

 長野県では、子宮を摘出して子供を産めなくなった30歳代の女性に代わり、50歳代の母親が「孫」を代理出産。家族関係が複雑になるとして問題になった。

 このため、法務、厚労両省は産婦人科などの学会だけでなく、法律、倫理などの観点から幅広く議論する必要があるとして、多方面の学識者で構成される日本学術会議に議論を求めることにした。答申の期限は定めない。

 同会議では、医療、生命科学、法律など各分野の専門家が集まり審議を重ねる方針だ。具体的には、〈1〉代理出産の是非〈2〉代理出産が認められる場合、どういうケースか〈3〉代理出産により生まれた子供をめぐる親子関係、法律上の地位――などが話し合われる見通しだ。

 現行の民法には、親子関係について詳細な規定はない。最高裁判例では、分娩(ぶんべん)の事実をもって母子の親子関係が発生するとしており、民法に新たな規定を設けるかどうかなどが焦点となる。

 生殖補助医療 子供ができにくい「不妊カップル」を補助する目的で行われる医療。〈1〉別の女性が代わって出産する代理出産〈2〉精子を人工的に女性の体内に注入する人工授精〈3〉体外で精子・卵子を受精、分割させて、受精卵を子宮内に移植する体外受精――などがある。

[解説]既成事実化に危機感
 政府が今回、代理出産などの生殖補助医療に関する法整備に踏み切る背景には、出産に関する技術進歩に、法律が追いついていない現状がある。法務、厚生労働両省には、妊娠と出産の法的ルールがないまま、「既成事実化」が進んでいくと、混乱がさらに深まるとの危機感がある。

 不妊カップルの女性に代わって別の女性が子どもを宿す代理出産は、生殖補助医療が抱える問題点の典型例だ。出産を希望する不妊カップルやその相談を受ける現場の医師らが、生殖補助医療に望みをつなぐ気持ちを否定はできない。

 しかし、感情論だけで法制化を進めるのは危険だ。倫理、法律、医学的な安全性など多方面から議論を深める必要がある。これまで政府は、生殖補助医療のあり方については厚生労働省、出生児の法律上の親子関係については法務省で縦割りの検討をしてきた。日本学術会議に審議を依頼するのは、省庁間の垣根を超え、より高いレベルで議論を深めることが不可欠だと判断したためだ。

 代理出産の是非は、諸外国でも判断が分かれている。フランスのように基本的に禁止している国もあれば、英国のように安全性確保や非営利を前提に容認している国もある。出生児の未来、少子化に悩む社会を考えれば、早急なルール作りが必要だ。(政治部 久保庭総一郎)

(2006年11月30日 読売新聞)


 この様に、代理出産に関してどう対応していくか、という観点から、政府は民法改正も含めた検討に入っていった。

 そこに、次の様な「運動」が入り込んでくる。

民法772条>長勢法相 実態把握のため調査に乗り出す


 「離婚から300日以内に誕生した子は前夫の子」とする民法772条の規定について、法務省は26日、実態把握のため調査に乗り出すことを決めた。長勢甚遠法相が同日午前の閣議後の記者会見で明らかにした。規定を巡っては、(1)前夫の子となるのを拒んだことによる無戸籍の子供の存在(2)今の夫の子とするためには、前夫を巻き込んだ裁判などの法的手続きが必要――などの問題点が明らかになっている。

 会見で、長勢法相は「(1898年の法律施行)当時とは、家族についての意識も変わってきているかもしれないし、医療技術も発達したことが影響している」との見方を示した上で、「(子が無戸籍になるような)問題が比較的多く見られることは考えなければならない」と述べた。実態調査の結果を受けて、「今は裁判等を要する手続きがどの程度必要なのかや工夫する余地があるか検討したい」と語った。
 毎日新聞の取材に対して、法務省はこれまで「無戸籍の子供の数や、出生届の不受理や修正を求めたケースのデータはない」などとしていた。

 規定を巡っては、離婚後300日以内に子を出産したり、同様の悩みを持つ親たちが25日、法務省民事局や各党の議員に対し、規定の運用見直しなどを求める陳情書を提出した。【工藤哲】

1月26日11時34分配信 毎日新聞


 ここで触れられている医療技術には、無論、代理出産も含まれている。
 が、最も注目すべきは「無戸籍の子供」についてどう対処するかについての検討を重視し始めている箇所だ。
 そして、この「無戸籍の子供」を持つ者たちが、法改定に向けて活動し始めている事も御丁寧に伝えてくれている。

 こうして徐々に問題は違う方向へとスライドされていったのである。


■ 巧妙な刷り込み

 一見すると、代理出産と、この「無戸籍の子供」の問題は別個のものと思えるが、実は、当時を振り返ると全くそうでは無く、或る種の巧妙な作為をまざまざと感じさせられたものである。

 引用した記事でも判る様に、当時の法務大臣、だけでなく政府関係者全般だが、この二つの問題に関して世論(マスコミの論調)に沿った形で事を進めていた。

 当時の報道を読み返しても、2007年3月頃迄は、表立って反対の意思を表す者は誰もいなかった。

 私自身も「代理出産とかは、ちゃっちゃと認められる環境が整備されるべきだねぇ〜」と思っていた。


 ただ、2007年は2月頃から一箇月ほどの間、非常に引っかかるものを「耳」にした。

 TBS系列の「渡る世間は鬼ばかり」という、異様に長台詞が多いドラマの中で、泉ピン子演じるラーメン屋「幸楽」の女将?の長女が、ちょうど出産がらみだったかな、話の展開はそんな感じだったが、その中でこのドラマにしては非常に不自然な、それも同じ様な内容の台詞を三、四週(約一箇月)に亘り、喋っていたのだ。

 確か、こんな感じの台詞(うろ覚え)。

 『・・・300日なんて、民法の古臭い規定なんか変えてほしいわ。・・・』

 当時問題となっていた民法の規定について、実にタイムリーに触れていたのだ。

 最初にこの種の台詞を聞いたときは、「ふぅん」と思った。
 この時点では、別に300日規定の問題に興味も何も無かった。


 次(次週)にこの台詞を聞いたときは、「またか」と思った。
 まぁ先週の話の続きだからかな、という程度にしか思わなかった。


 しかし、更に次週、又次週と、この台詞を聞いたときは流石に

 「これってひょっとして、ヤバい問題なのか?」

 とに思わざるを得なかった。最初の時点からして、この台詞の入り方が妙な感じを受けたのもあるが、こうもしつこい不自然さの連続は、如何にこのドラマといえどもおかし過ぎると。

 このドラマがTBS系列での放送なのも引っかかった。
 TBSあの外国人参政権や人権擁護法案を推進してきた宗教団体と懇意という噂がある。
 その辺も影響があるのではないか。

 ともかく、何だかよく判らないが、巧妙に民法の300日規定の改定は当然のもの・・・という印象を視聴者に与えようとしていたのではないか、と今でも思っている。

 そして、2007年も3月を過ぎたあたりから、300日規定問題は、急展開を迎える事となるのである。
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気blogランキングへ FC2-blogランキングへ ブログランキング
みんなのプロフィールSP

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://tk01050.blog27.fc2.com/tb.php/268-963c03fa
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Copyright (C) 徒然なるままに@甲斐田新町. All rights reserved. Template by Underground
FC2ブログ