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2008-12-28

対抗できない。

 世の中には、下手をすると、まともに「対抗出来ない」事が少なくない。

 例えばこういうもの。

図書館「ボーイズラブ」に揺れる 堺市、市民の不信感募る

 「ボーイズラブ(BL)」と呼ばれる男性同士の恋愛をテーマにした小説に、堺市の図書館が揺れている。市民の声を受けて貸し出しを制限したところ、反対に「特定の本を排除するのは問題」と非難が集中し、制限を撤回。「また突然、対応を変えるかも」と市民の不信感は募っている。

 一般的にBL小説は、1冊に数ページのイラストがある。堺市立の7つの図書館が所蔵する計約5500冊のうち、100冊程度には男性同士が裸で絡み合うような過激な描写があった。盗難も多いため、申請があれば貸し出す閉架書庫に置いていた。

 しかし、ひっきりなしに貸し出されるため、4つの図書館では誰でも閲覧できる棚に配置。7月、「子どもが見るのにふさわしくない」との声が利用者から出た。

 図書館側は、閉架書庫に戻した上で、18歳未満への貸し出し禁止を決定。これに、住民グループが「特定の本を排除したり廃棄したりするのは、図書館ではあってはならない。政治的圧力もある」と反発。有識者も賛同し、11月に廃棄差し止めの住民監査請求が申し立てられると、図書館側は一転、18歳未満への貸し出しも認めた。

 堺市は「拙速で、判断を誤った」としている。

2008/12/23 18:08 【共同通信】


 さぁ、上記の赤線部の様な事を言う手合いに対して、貴方ならどう「対抗出来る」?

 因みに「対抗出来る」「対抗出来ない」というのはこういう事だ。

 不動産に関する物権の変動(例:土地所有権の移転、地上権の設定等)は、不動産登記法で定める登記をしなければ、第三者に対抗する事は出来ない。

 参照:民法一七七条


 つまり、かなり端折って説明すると「自分の行いや主張に法律の根拠があれば、相手に打ち勝てる」のが「対抗出来る」で、逆に、法律の後ろ盾が無ければ「対抗出来ない」だ。

 さて、話を戻すと、赤線部の様な事をいう連中は、当然に憲法二一条を、その主張の後ろ盾としている。

表現の自由

憲法二一条一項

 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

憲法二一条二項

 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


 これに、貴方は対抗出来ますか?
 対抗するならするで、何を根拠に対抗するのですか?



■ 対抗の手段

 一つには、憲法一二条、一三条を使う方法がある。

憲法一二条

 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

憲法一三条

 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。


 日本国憲法では、『公共の福祉』に依る制約が存在する事が定められている、というのが通説なので、これを使えば憲法二一条の「表現の自由」に対抗出来る。

 要は、「こんなふしだらなものを図書館に置いておくのは子供の教育に良くない!憲法一二条と一三条の『公共の福祉』に反している!」

 とでも言えばいい。

 もう一つには、公序良俗違反に訴える手段がある。

民法九〇条

 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。


 文字通り、公序良俗に反するとされる行為は無効という事を盾に、

 「こんなふしだらなものを図書館に置いておくのは子供の教育に良くない!公序良俗違反だ!」

 とでも主張すればいい(さっきから「子供の教育」ばっかだな)。
 他に『権利濫用の禁止』とかもある。

 ああいった団体を相手にするなら、知っておくに越した事は無い。
 特に、身近に似たような輩がいる様な人の場合は。


■ 団体の正体

 最後に、この赤線部の抗議をした団体は、こういう方々のようで。

堺市住民監査請求・代理人代表のコメント

 どんな理由があれ、公共の図書館における図書の排除や検閲はゆるされない。
 情報公開と表現の自由は民主主義の基本だ。
 たとえ反対意見であってもそれを発表する自由を守るというのが、「表現の自由」だ。
 わたしたちは福井県の図書排除事件以来、情報公開と表現の自由のために闘ってきた。
 日本中、どこで同じようなことがあっても、闘うだろう。
 図書排除の要求をした関係者の図書館行政への不当な介入と、その要求を受けいれた堺市の不見識とに猛省を促したい。

   2008年11月4日

    上野千鶴子  東京大学大学院教授
    「ジェンダー図書排除」究明原告団・代表

みどりの一期一会


 おやまぁ、上野千鶴子女史といえば、あの有名なジェ【自主規制】じゃありませんか(まだ生きてたのか)。


 まぁ、今回の図書館については、もっとも「最初からそんなもん購入しなければ良かった」というのが一番の正解ではあるけれども、図書館で働いてる人っていうのは、これまたどっちかというと、過去には特定の(=いわゆる保守系の)書籍を燃やす様な輩も少なくないので。

 図書館に「公共の福祉」や「公序良俗」を期待するのは止めといた方がいいな。
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