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2008-12-30

就労問題解決の為には、憲法改正は必至である。 其の壱

 日弁連が、労働者派遣法の改定について、提言を出したらしい。

生活危機:08世界不況 「派遣法改正を」 日弁連が意見書

 日本弁護士連合会(宮崎誠会長)は24日、「派遣切り問題の解決には労働者派遣法の抜本改正が必要」とする意見書を公表した。また、政府が示している10年の社会保険庁から日本年金機構への移行に際し、懲戒処分を受けた職員を不採用とする採用基準を「法に抵触する疑いがある」として見直しを求めた。

 いずれも19日に日弁連で採択された。労働者派遣法に関しては(1)登録型派遣の禁止(2)日雇い派遣は派遣元と派遣先の間で全面禁止(3)違法行為があった場合に直接雇用と見なす規定が必要−−などと主張した。【東海林智】

毎日新聞 2008年12月25日 東京朝刊


■ 労働者派遣法の抜本改正を求める意見書

 ・・・・・・。

 緊急対策としては有りとして、しかし法律の素人がこれを言うならまだしも、仮にもプロ集団である弁護士様方が纏められた御提言とは。

 法律・・・それも憲法の下位にあるという意味での「法律」なんて、改定したところで再び改定されたら終わりだ。
 実際この間、国籍法はあっさり改定されてしまった。

 日弁連が法曹の集団だというなら、恒久的な解決を目指し、もっと根幹的な部分からの改定を御提言して頂きたいところだが、その辺やはり、護憲勢力たる日弁連の限界なのだろう。


■ 元凶の一つ・弁護士

 そもそも、日弁連は今の情況をもたらした元凶の一つだ。

 『偽装請負』が新聞紙面で取り上げられていた頃、「企業が法律(労働法規)を守らない」「脱法行為的」という事が問題点の一つに挙がっている。

 『法律を遵守しない』。

 この法律を軽視する風潮を日弁連はつくってきた。

 数年前にテレビの報道で、夜の街中で公園に屯する少年達に取材班がマイクを向け、「法律を守ろうと思わないのか」と聞いて回っていたが、それに対して少年達は笑いながら「未成年だったら何やっても大丈夫でしょ?」と答えていた。

 少年らにこれを言わせる根拠となっているのは勿論、少年法だが、その改定(若しくは撤廃)について、「子供の人権」を守るという立場で、一貫して反対してきたのが日弁連。

警察の権限拡大に懸念

日弁連、少年法「改正」で集会


(省略)

 政府が国会に提出している少年法「改正」案の問題点について日本弁護士連合会と東京の三弁護士会は3月2日、東京都千代田区の弁護士会館で市民集会を開き、弁護士、市民ら約百三十人が参加しました。

 日弁連の平山正剛会長は開会あいさつで、「おとなは心を尽くして子どもの成長を長い目で見守るべきで、『改正』案は国家主義的に子どもを警察の監視のもとにおくものだ」と批判しました。

(省略)

2007年3月3日(土)「しんぶん赤旗」


 国の機密を守り、諜報活動を阻止する為のスパイ防止法についても、「基本的人権の侵害」を名目に、マスコミと共に反対の大合唱の輪に加わっていたのも日弁連。

 現在、国会に提出されている「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」は、人権侵害の危険が極めて大きい。

(省略)

 われわれは、この法律案に強く反対し、速やかに撤回されることを切望する。

(省略)

 当連合会は、10年余にわたって改正刑法草案による処罰範囲の拡大、重罰化、保安処分新設を内容とする刑法「改正」の阻止運動を展開し、言論表現の自由を侵害する「公務員機密漏示罪」「企業秘密漏示罪」の新設に反対してきた。また、第23回人権擁護大会決議のとおり、政府・自治体等官公署が保有する情報は、国民主権・民主主義の理念にてらし、できるだけ広範に国民の前に公開されるべきであるとの見解を明らかにし、情報公開のための法律や条例の制定等の方策を提言してきた。

(省略)

日弁連 - 「国家機密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」に反対する決議 昭和60年10月19日

 
 更には、北朝鮮拉致被害者の家族の方々が、助けを求めに訪ねても、一切何もしてやらなかったのも日弁連。

 日弁連は、組織としてもアレだが、そこに所属する個人も碌な事をしていない。

 山口県光市の母子殺害事件では、被告に二十一人もの弁護士がついて、どう見ても死刑反対・廃止運動のダシにしていた。

 上記事件で弁護人を勤めていた安田好弘弁護士が、強制執行妨害事件で逮捕・勾留された際には、全国から「弁護をしよう」という弁護士が集い、約1200人が弁護人となる。

 この安田弁護士を応援・弁護していた日弁連会長経験者・土屋公献氏は、北朝鮮拉致問題に関与している朝鮮総連の、その中央本部の土地・建物の売買取引事件に、代理人として積極的に絡んでいた。

 日弁連の副会長だった岡村勲氏は、死刑廃止論者だったが、御自身の娘さんを殺された事で、初めて被害者遺族の無念さを思い知ったという。今では全国犯罪被害者の会代表を勤めている。
 これまでしてきた事は、自分達の首を絞めていただけである事も思い知ったのではないか。


■ 不正義の横行

 数年前にテレビの報道に話を戻すと、ちょっと前までは、少年法の規定が未成年に対して過保護な内容ゆえ、少年達は法や秩序を軽視していたのかと漠然と思っていたものだが、深層はそんな直接的なところには無かったのではなかろうかと、今では思う。

 法律を守らない、という事は、その国に於ける「正しい行い」と「正しくない行い」の境界線を定めている法律の、その存在意義が失われていくという事だ。

 つまりは正義と不正義が混濁し、何が善で、何が悪かという事について、なぁなぁになってしまう。
 率直に言えば、不正義が横行する事を許可しているのに等しい。

 この事について象徴的なのは、オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こした後、教団に破壊活動防止法を適用するか否かが世論の大きな争点になり、そして適用が見送られた事だろう。
 あの時、日本の「不正義を許さない」という精神は死んだと思っている。
 勿論、日弁連は反対した。適用を。


 日弁連が救いようが無いのは、『10年余にわたって改正刑法草案による処罰範囲の拡大、重罰化、保安処分新設を内容とする刑法「改正」の阻止運動を展開』してきたと自ら誇示している事からも判る通り、ともかく国に逆らう事=反権力が正義であった(としか、外観上は確認出来ない)。
 僅かでも個人の権利を規制してしまう様なものには全て反対してきた。

 じゃあこれからも、規定範囲の拡大や重罰化なんてものには一切反対し、規制の緩和には全て賛成していくべきなのでは?
 今回の様な、新たに禁止規定を設けよ、という提言は、日弁連のこれまでの活動方針に反してすらいると思う。

 弁護士が付ける弁護士バッヂには、「公正・公平・平等」を示す天秤と、「正義・自由」を示す向日葵が象られているはずだが、日弁連がやってきた事は、不公正・不正義の助長であった(としか、外観上は確認出来ない)。


■ 本題

 先ず、「就労問題を根幹から是正したくば、憲法から先ず改めよ」というのは、別段飛躍した話では無い。

 例えば、戦前は「軍部大臣現役武官制」というのがあった。
 これは、正確には、勅命で行われた各省官制通則の中の、陸海軍省官制の定員表にあった、「大臣及び次官に任ぜられる者は現役将官とす」との注記が根拠である。
 当初は別段意識される事は無かったが、この規定を根拠にした内閣総辞職が起こり始めると、「危険だ」という事が認知される様になり 大正デモクラシーの潮流の中、山本権兵衛内閣の下、一端は廃止された。
 が、結局は広田弘毅内閣の頃に復活した。
 制度復活後は皆さん御存知の通りなので、ここでは書かない。
 軍部大臣現役武官制復活の法的根拠は、大日本帝国憲法に於ける統帥権である。そこに内閣の規定と当時の情勢が後を推した。

 治安維持法が存在したのも、大日本帝国憲法では言論や表現の自由が、法律の留保(ここでは、憲法以外の別の法律で調整する事)によっていた事が大きい。大日本帝国憲法下では、どう見ても合憲であった。

 根幹法たる憲法から修正しなければ、同じ問題は起こり得る事を、戦前の歴史は後世の者に教えてくれている。

 今就労・雇用関係で起こっている問題も、「当初は」対して問題視されていなかったが、一応憲法を根拠にしているわけで、つまりは合憲である(違憲判決なんて聞いた事がない)。

 戦前と同様に、憲法という根幹に欠陥が存するからであるという自覚が無いと、幾度でも何度でも繰り返すだけだろう。

(続く)
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